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線にいのちが宿る奇跡のプロセス月刊MdN『アニメの作画』の世界を大特集

NEWS

ANIME

2018.09.07 FRI

デザインとグラフィックの総合情報誌、月刊『MdN(エムディエヌ)』2018年10月号の特集は『アニメの作画』。線にいのちが宿る奇跡のプロセス、アニメの作画の世界を大特集している。

【特集1】
線にいのちが宿る奇跡のプロセス
アニメの作画

今やアニメを見ている多くの人が気軽に使っている「作画」という言葉。しかし、その詳しいワークフローや奥深さなどは、あまり理解されていないのではないだろうか。

画面を飛び出さんと動き回るアクション、まるでキャラクターに命が宿っているような芝居、さらには大迫力のエフェクト表現など ── これらを描いたアニメーターはいったいどんなこだわりを持っていて、脳内でどのような絵が見えているのか。

現在、第一線で活躍しているアニメーターたちの語りを通して、これまで言語化するのが難しかったアニメの作画のさまざまな魅力を伝えていく。

■アニメーターが語る作画

5名の凄腕アニメーターたちに、それぞれが得意とする作画へのこだわりや技術論、さらにアニメの作画の面白さについて語ってもらった。

日常芝居  ── 実体験と観察によって表現されるもの
インタビュー:江畑諒真
作品:『天体のメソッド』『Dimension W』

アクション  ── 演出の領域に踏み込んだ映像のアイデア
インタビュー:温泉中也
メイン作品:『Fate/Apocrypha』『グランクレスト戦記』

少女の仕草  ── 押し付けではない自然なかわいさ
インタビュー:ちな
メイン作品:『ヤマノススメ サードシーズン』

メタモルフォーゼ ── 異形だからこそできる発想の飛躍
インタビュー:大島塔也
メイン作品:『龍の歯医者』

インパクト  ── 描き手の感性が溢れ出たダイナミズム
インタビュー:五十嵐 海
メイン作品:『リトルウィッチアカデミア』

■伝説の作画回が生まれた理由 『Fate/Apocrypha』第22話「再会と別離」

昨年12月に放送され、作画の盛り上がりによって大きな反響を呼んだ『Fate/Apocrypha』第22話。そのキーマンとなった伍 柏諭さんに、第22話がどのようにして生まれたのかを伺った。

■新世代スーパーアニメーターQ&A

今後のアニメの作画現場を担っていく、すごい才能を持ったアニメーター9名にアンケートを行い、自身の作画の特徴、影響を受けたアニメ作品やアニメーターなどについて詳しく答えてもらった。
荒井和人/宮本託自/椅子汰/沖田博文/亀田祥倫/砂小原 巧/山本 健/土上いつき/Bahi JD

【連載記事】
●人と人――クリエイター2人のテーマトーク
クリエイションに携わる者同士の会話から、アート・グラフィック・カルチャーの今を浮き彫りにする対談連載。今回出演していただいたのは、美学者の伊藤亜紗さんと、日本語ラップの先駆者と称され小説も手掛ける、いとうせいこうさん。吃音が主題の書籍『どもる体』を上梓した伊藤さんに、フリースタイルMCバトルの現場をよく知るいとうさんと、吃音とフリースタイルラップの共通性などについて語っていただきた。

●PORTFOLIO
第一線で活躍するクリエイターに迫る連載企画。今回は、NHK Eテレ「シャキーン!」へのイラスト提供や、トヨタ自動車やサントリーなどの企業広告、でんぱ組.incのジャケットデザインなど、多岐にわたる活動で注目されるアーティストの牛木匡憲さんに取材。

●創る。
PhotoshopやIllustratorを用いて作られたイラストレーションやグラフィック作品をメイキングとともに紹介する。今月はイラストレーターの大宮いおさんによる、儚くも幻想的な青の世界を描いた、見る人の感情を揺さぶるようなイラストのメイキングだ。

株式会社エムディエヌコーポレーション
https://books.mdn.co.jp/

もっと光を! アイデアと“夢のエネルギー”で画面の牢獄から抜け出した電子ゲーム『大脱走』

REVIEW

GAME

2018.11.16 FRI

ゲームがデータとして供給されるようになった現代から、遡ることおよそ40年の昔。当時、ゲームとはソフトでありハードであり、単一の“モノ”を指していた。

『電子ゲーム』。この80年代を代表するアイコンを単なる懐古趣味ではなく、ゲームが形を持たなくなった時代の崇敬すべきフェティッシュとして見直していくのが本連載の趣旨である。

日本の子供たちがこれまでになかった新しいおもちゃ、電子ゲームに熱狂していた1980年前後。しかし、視野を広げてみればこの時期は1978年のイラン革命を発端にした原油価格の上昇と供給危機、いわゆる第2次オイルショックの時期と重なる。そうして1980年にはNEDO(新エネルギー総合開発機構)が創設され、太陽光エネルギーに注目が集まっていた……。

そんなエネルギー情勢の中で1982年に登場したのが、バンダイのLCDソーラーパワーシリーズの電子ゲーム『大脱走』である。

『大脱走』(バンダイ/5400円 1982年)

「電子ゲームにソーラーパネルを使用したのは、バンダイのLCDソーラーパワーシリーズが初めてだと思います。電池が無用である代わりに強い光を当てていないと遊べず、つまり部屋の中でゴロゴロ寝転がりがら遊ぶことができないというデメリットもありました。しかし、光に当てれば電気が生まれ、ゲームが出来るという科学実験を思わせる仕組みは、当時の子供達の心を捉えたものです。また、同シリーズはソーラーパワーだけでなく、2画面構成になっていることも特徴。なかでもこの『大脱走』は場面転換が秀逸で、私が特に気に入っている電子ゲームの一つです」

そう語るのは、電子ゲームに詳しく、任天堂研究家・コレクターとしても知られる山崎功氏である。

蛍光管表示(FL)式ゲームは電池の消耗が激しく、ACアダプタまで買ってもらえなかった子供達を泣かせた。他方、電池の持ちはよかった液晶式でもボタン電池は高価であり、電池代はやはりバカにできなかった。100円均一がまだ登場していない当時、子供にとって(大人にとっても)電池は消耗品にしてはなかなかの値段がするものであったのだ。

また、視点をエネルギー情勢に戻せば“未来のエネルギー”ともてはやされた原子力発電が、1979年のスリーマイル島原子力発電所事故により大きくその存在が揺らいでいた、そんな時代の話である。「太陽にさえ当てればゲームができる」。この“夢のエネルギー”のわかりやすい実用化に、子供達の興味が注がれたことは想像に難くない。

なお、このゲームは「ソーラーパワー」を謳ってはいるが、室内灯でも条件を満たせば遊ぶことはできた。しかし、発電量の少なさ故、入力の度に画面表示が薄くなり、音も心もとないものになるなどのトラブルはつきもの。快適に遊ぶためにはやはり太陽光のあたる外で遊びたい。そこで携帯性を高め、また最も弱い部分である画面とソーラパネルの保護を目的にしたのだろう。本体は、2つに折りたためるようになっている。小さく折りたたんだものを展開すると、すごい能力を発揮する。このスパイのひみつ道具めいたギミックもまた子供たちにとっての魅力となっていた。

全く異なるゲーム性を持つ驚きの2パターン構成

さて、そのゲーム内容はというと、プレイヤーは囚人であり、看守の目をかいくぐって刑務所から脱走するというもの。通常、主人公は宇宙人や怪物と戦う善なるヒーローか、すくなくともハプニングに見舞われた無辜の存在であるがこのゲームでは自分が善人であるかどうかは疑わしい。同様のモチーフを持ったゲームは他にもあるが、いずれ、ピカレスク(悪漢)ロマンといった言葉もまだ知らない子供たちにとって、他のゲームにはない世界を感じさせるものであった。

ゲームはパターン1・牢の中ステージから始まる。プレイヤーは時折ドアを開けて様子を見にくる看守の目をかいくぐり、隠し持っていたノコギリで計3本ある鉄格子を順に切って外に脱出しなくてはならない。鉄格子は主人公が接触した状態で10回左ボタンを押すと切れるが、看守がドアをあけて中を見たときにはベットの位置につき、壁に貼ってある水着のポスターを見ているフリをしなければ1ミス、鉄格子は強制的に3本に戻る。

このゲームの世界では、脱獄の計画、すなわち鉄格子を意識している様子を見咎められないことが重要なはずであり、であれば主人公がベッドで寝たふりをする描画があれば十分なことになる。なのに、あえて「水着のポスター」を登場させる(子供向けゲームとしては)“ダーティー”な演出に、思わずニヤリとさせられる。

そんなこんなで、計3本の鉄格子を無事、切り落とせば次のパターンに進むことになる。

鉄格子を破った窓を抜けるとそこは第2のパターン・刑務所の壁の外だ。無数の警察犬が襲ってくる上に警官が壁の上から身を乗り出して銃を撃ちまくってくる。(警察犬、警官は説明書の表記通り。「看守では?」などの疑問はさておこう)

看守が見ているあいだは大人しくし、隙を見ては連打で鉄格子を切る。この「静と動」で成り立っていたパターン1とは違い、ひたすら「動」が要求されるのが、パターン2の特徴となっている。そうして画面左に時折やってくる仲間のトラックに乗ればまんまと脱出成功、500点のボーナスが入りまたパターン1に戻る……という流れである。

The Great Escape。単一画面ゲームからの、大いなる脱走

このように、『大脱走』は刑務所の内と外を舞台に展開するアクションゲームであるが、現在の携帯ハード機のように、画面はドットで構成されているわけではないのでその描画は不自由なもの。白(というか透明)黒の液晶画面のなかであらかじめいくつか用意したキャラの動きを描写する単純なパターンを点滅させるしかない。

そんな制約のなか、牢のステージのキャラクターと背景の一部を表示するための液晶画面、刑務所外のキャラクターと背景の一部を表示させるための液晶画面。この2枚の透明な液晶のパネルを重ねることで、1画面でありながら、バラエティに富んだキャラの動き、ゲーム性をもたらすことが可能になっている。

さらに、画面の再奥にプリントによって描かれた背景の使い方、そのアイデアの秀逸さにも注目しておきたい。牢獄のシーンではポスターが貼られた部屋の右壁の役割を果たしていた部分が、外のシーンでは脱走の際に使ったのであろうロープが上から垂れ下がった外壁として使われている。また、牢の鉄格子を支えていた左壁の上端は、下部に植え込みを配置することで今度は刑務所の壁の外を走る道路のカーブを描き出しているのだ。

変えることのできない絵でしかない背景が、液晶画面で描画を重ねて早変わりの舞台装置の役目を見事に果たす。当時のハイテクから、アイデア勝負のローテクまで。双方が詰まったモノとしての魅力に溢れる存在であることがお判りいただけただろうか。

電池の消耗を気にせざるを得ず、ステージ構成は1パターンのみで複雑な演出、場面転換ができない。そんな当時の電子ゲームの限界、いや、牢獄からまさに大脱走を果たしたのがこのゲーム『大脱走』なのである。

文:のび@びた
撮影:さとうひろき

<監修>
山崎 功(やまざき いさお)
任天堂研究家・コレクター、電子ゲーム・レトロゲーム好き。「懐かしの電子ゲーム大博覧会」「任天堂コンプリートガイド」など多数の著書あり。
https://twitter.com/yamazaki_isao
http://happy-today.org/nintendo/

リアルタイムアセット制作未経験の方のために『映像屋さんの為のリアルタイムBG制作』無料配布を発表

NEWS

ANIME

2018.11.18 SUN

株式会社ポリゴン・ピクチュアズの関連会社である株式会社エレメントファクトリーが、リアルタイム制作未経験者に役立つ入門書『映像屋さんの為のリアルタイムBG制作』を無料配布することを発表した。

リアルタイムアセット制作未経験のCGアーティストに向けた教育用マニュアル

『映像屋さんの為のリアルタイムBG制作』は、世界的なゲーム開発エンジンである「アンリアルエンジン」を利用したアセット制作のマニュアルだ。

昨今ではゲーム・VR・イベントなど、さまざまなメディア、ジャンルでリアルタイム用アセットが活用され、その技術の進歩によってプリレンダリングのアセットに勝るとも劣らないクオリティを実現している。またデジタルコンテンツ市場においても、今後さらにインタラクティブ性の高いソフトウェアの拡大が予想されている。

この時代背景を考慮し、今後のデジタルコンテンツ制作業界の技術向上に寄与するため、当該マニュアルを、これまでリアルタイムアセット制作に触れてこなかったCGアーティストのためのリアルタイムアセット制作の入門書として、エレメントファクトリーのホームページにて無料で提供される。

エレメントファクトリー
https://www.element-factory.co.jp/