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新生「ウルトラマン」に神山健治・荒牧伸志が挑む ── 3DCGアニメーション「ULTRAMAN」制作決定!

NEWS

ANIME

2018.03.10 SAT

1966年、後に長きに渡って子どもたちを魅了し続ける事になる伝説的な特撮ヒーローが生まれた。

赤いボディに、流線的なフェイス。
誰も見たことのない斬新なデザインのヒーローが、大きなハンディを負って地球のために戦う姿に、子供たちは手に汗を握り釘付けとなった。

そして2019年、初代の放送開始から半世紀を越えて、ビジュアルからストーリーまで、すべてが刷新された次世代の「ウルトラマン」が誕生する。

「月刊ヒーローズ」で連載された清水栄一×下口智裕による漫画「ULTRAMAN」が、数々のヒット作を生み出した人気アニメーション監督である神山健治・荒牧伸志の両名によって、3DCGアニメーション化される事が発表されたのだ。

次世代を象徴する新しいウルトラマン像

原作である漫画「ULTRAMAN」は、累計発行部数260万部を突破する人気作だ。

しかし、漫画「ULTRAMAN」について特筆すべきは、発行部数ではなくその内容だ。
漫画「ULTRAMAN」は過去の様々なウルトラマンシリーズとは一線を画する作品と言える。

舞台は、初代ウルトラマンが平和を勝ち取り、そして去った後の地球。
初代ウルトラマンであったハヤタ・シンの息子・早田進次郎が、父の後を継ぎ地球のためにウルトラマンとして活動を始める事から、物語が始まる。

だが、進次郎は多くの人がイメージするウルトラマンとは大きく違う。

進次郎が変身するウルトラマンは、過去のウルトラマンシリーズとは違い「巨大化」せず、科学の力によって生み出されたバトルスーツ「ウルトラスーツ」を身に着け、様々な宇宙人たちの起こす事件に対処するのだ。

厳密には変身ではなく「ウルトラスーツ」を装着しただけという設定は、スパイダーマンやスーパーマンのようなアメコミヒーローに通ずる部分がある。

そして、新しいウルトラマンは「巨大化」を捨てた代わりに、多くのアメコミヒーローと同じように人間的な「葛藤」を抱えている。
宇宙人と戦うのと共に、”正義とは何か” という「葛藤」を抱えた自分自身と戦っているのである。

「ULTRAMAN」は巨大化せず、その代わりに悩み、そして戦う

初代ウルトラマンを初めとするウルトラマンシリーズは、変身すると「巨大化」する設定であった。

これは「巨大化」自体が特撮の魅力を引き出すための魅力的な設定であり、ウルトラマンの成功のカギだったと言っても過言ではない。
子どもたちをTVの前に釘付けにしたのは、巨大化したウルトラマンと怪獣による、ダイナミックな格闘シーンだった。

それに対して、漫画「ULTRAMAN」の魅力はリアリティである。
私達の生きる現実の延長線上で繰り広げられるSFと 、主人公が抱える葛藤を丁寧に描いた物語は、かつてエヴァンゲリオンがロボットアニメの文脈において提示した世界観にも通じるものがる。

これは、特撮から漫画へと表現の場が移行した事による影響が大きい。表現方法が変わる事で、魅力的に見せやすい物語の側面が変わったのだ。

そのため、漫画「ULTRAMAN」は、主人公の内観や緻密なサスペンスが際立ち、見事に次世代のウルトラマン像を確立した。

3DCGアニメーションという表現が、どんなウルトラマンを生み出すのか

今回、この人気作のタイトルを背負うのは2人の監督だ。
「攻殻機動隊 S.A.C.」シリーズや「東のエデン」の監督として知られる神山健治と、「APPLESEED」「スターシップ・トゥルーパーズ レッドプラネット」の荒牧伸志。

制作は、もちろんProduction I.GとSOLA DIGITAL ARTSが担当する。

世界にもファンの多い両監督が、どのようにこの「ULTRAMAN」を手がけるのか、期待と不安が入り交じる。

特撮と漫画でその作品性が変容したように、今度は3DCGアニメーションという領域で、神山・荒牧の両監督の描く「ULTAMAN」はどのように変容するのだろうか。

良い化学反応が引き起こされる事を願い、「ウルトラマン」の新たなステージに注目していきたい。

アニメ「ULTRAMAN」公式サイト
http://anime.heros-ultraman.com/

©TSUBURAYA PRODUCTIONS 
©Eiichi Shimizu, Tomohiro Shimoguchi
©「ULTRAMAN」製作委員会

もっと光を! アイデアと“夢のエネルギー”で画面の牢獄から抜け出した電子ゲーム『大脱走』

REVIEW

GAME

2018.11.16 FRI

ゲームがデータとして供給されるようになった現代から、遡ることおよそ40年の昔。当時、ゲームとはソフトでありハードであり、単一の“モノ”を指していた。

『電子ゲーム』。この80年代を代表するアイコンを単なる懐古趣味ではなく、ゲームが形を持たなくなった時代の崇敬すべきフェティッシュとして見直していくのが本連載の趣旨である。

日本の子供たちがこれまでになかった新しいおもちゃ、電子ゲームに熱狂していた1980年前後。しかし、視野を広げてみればこの時期は1978年のイラン革命を発端にした原油価格の上昇と供給危機、いわゆる第2次オイルショックの時期と重なる。そうして1980年にはNEDO(新エネルギー総合開発機構)が創設され、太陽光エネルギーに注目が集まっていた……。

そんなエネルギー情勢の中で1982年に登場したのが、バンダイのLCDソーラーパワーシリーズの電子ゲーム『大脱走』である。

『大脱走』(バンダイ/5400円 1982年)

「電子ゲームにソーラーパネルを使用したのは、バンダイのLCDソーラーパワーシリーズが初めてだと思います。電池が無用である代わりに強い光を当てていないと遊べず、つまり部屋の中でゴロゴロ寝転がりがら遊ぶことができないというデメリットもありました。しかし、光に当てれば電気が生まれ、ゲームが出来るという科学実験を思わせる仕組みは、当時の子供達の心を捉えたものです。また、同シリーズはソーラーパワーだけでなく、2画面構成になっていることも特徴。なかでもこの『大脱走』は場面転換が秀逸で、私が特に気に入っている電子ゲームの一つです」

そう語るのは、電子ゲームに詳しく、任天堂研究家・コレクターとしても知られる山崎功氏である。

蛍光管表示(FL)式ゲームは電池の消耗が激しく、ACアダプタまで買ってもらえなかった子供達を泣かせた。他方、電池の持ちはよかった液晶式でもボタン電池は高価であり、電池代はやはりバカにできなかった。100円均一がまだ登場していない当時、子供にとって(大人にとっても)電池は消耗品にしてはなかなかの値段がするものであったのだ。

また、視点をエネルギー情勢に戻せば“未来のエネルギー”ともてはやされた原子力発電が、1979年のスリーマイル島原子力発電所事故により大きくその存在が揺らいでいた、そんな時代の話である。「太陽にさえ当てればゲームができる」。この“夢のエネルギー”のわかりやすい実用化に、子供達の興味が注がれたことは想像に難くない。

なお、このゲームは「ソーラーパワー」を謳ってはいるが、室内灯でも条件を満たせば遊ぶことはできた。しかし、発電量の少なさ故、入力の度に画面表示が薄くなり、音も心もとないものになるなどのトラブルはつきもの。快適に遊ぶためにはやはり太陽光のあたる外で遊びたい。そこで携帯性を高め、また最も弱い部分である画面とソーラパネルの保護を目的にしたのだろう。本体は、2つに折りたためるようになっている。小さく折りたたんだものを展開すると、すごい能力を発揮する。このスパイのひみつ道具めいたギミックもまた子供たちにとっての魅力となっていた。

全く異なるゲーム性を持つ驚きの2パターン構成

さて、そのゲーム内容はというと、プレイヤーは囚人であり、看守の目をかいくぐって刑務所から脱走するというもの。通常、主人公は宇宙人や怪物と戦う善なるヒーローか、すくなくともハプニングに見舞われた無辜の存在であるがこのゲームでは自分が善人であるかどうかは疑わしい。同様のモチーフを持ったゲームは他にもあるが、いずれ、ピカレスク(悪漢)ロマンといった言葉もまだ知らない子供たちにとって、他のゲームにはない世界を感じさせるものであった。

ゲームはパターン1・牢の中ステージから始まる。プレイヤーは時折ドアを開けて様子を見にくる看守の目をかいくぐり、隠し持っていたノコギリで計3本ある鉄格子を順に切って外に脱出しなくてはならない。鉄格子は主人公が接触した状態で10回左ボタンを押すと切れるが、看守がドアをあけて中を見たときにはベットの位置につき、壁に貼ってある水着のポスターを見ているフリをしなければ1ミス、鉄格子は強制的に3本に戻る。

このゲームの世界では、脱獄の計画、すなわち鉄格子を意識している様子を見咎められないことが重要なはずであり、であれば主人公がベッドで寝たふりをする描画があれば十分なことになる。なのに、あえて「水着のポスター」を登場させる(子供向けゲームとしては)“ダーティー”な演出に、思わずニヤリとさせられる。

そんなこんなで、計3本の鉄格子を無事、切り落とせば次のパターンに進むことになる。

鉄格子を破った窓を抜けるとそこは第2のパターン・刑務所の壁の外だ。無数の警察犬が襲ってくる上に警官が壁の上から身を乗り出して銃を撃ちまくってくる。(警察犬、警官は説明書の表記通り。「看守では?」などの疑問はさておこう)

看守が見ているあいだは大人しくし、隙を見ては連打で鉄格子を切る。この「静と動」で成り立っていたパターン1とは違い、ひたすら「動」が要求されるのが、パターン2の特徴となっている。そうして画面左に時折やってくる仲間のトラックに乗ればまんまと脱出成功、500点のボーナスが入りまたパターン1に戻る……という流れである。

The Great Escape。単一画面ゲームからの、大いなる脱走

このように、『大脱走』は刑務所の内と外を舞台に展開するアクションゲームであるが、現在の携帯ハード機のように、画面はドットで構成されているわけではないのでその描画は不自由なもの。白(というか透明)黒の液晶画面のなかであらかじめいくつか用意したキャラの動きを描写する単純なパターンを点滅させるしかない。

そんな制約のなか、牢のステージのキャラクターと背景の一部を表示するための液晶画面、刑務所外のキャラクターと背景の一部を表示させるための液晶画面。この2枚の透明な液晶のパネルを重ねることで、1画面でありながら、バラエティに富んだキャラの動き、ゲーム性をもたらすことが可能になっている。

さらに、画面の再奥にプリントによって描かれた背景の使い方、そのアイデアの秀逸さにも注目しておきたい。牢獄のシーンではポスターが貼られた部屋の右壁の役割を果たしていた部分が、外のシーンでは脱走の際に使ったのであろうロープが上から垂れ下がった外壁として使われている。また、牢の鉄格子を支えていた左壁の上端は、下部に植え込みを配置することで今度は刑務所の壁の外を走る道路のカーブを描き出しているのだ。

変えることのできない絵でしかない背景が、液晶画面で描画を重ねて早変わりの舞台装置の役目を見事に果たす。当時のハイテクから、アイデア勝負のローテクまで。双方が詰まったモノとしての魅力に溢れる存在であることがお判りいただけただろうか。

電池の消耗を気にせざるを得ず、ステージ構成は1パターンのみで複雑な演出、場面転換ができない。そんな当時の電子ゲームの限界、いや、牢獄からまさに大脱走を果たしたのがこのゲーム『大脱走』なのである。

文:のび@びた
撮影:さとうひろき

<監修>
山崎 功(やまざき いさお)
任天堂研究家・コレクター、電子ゲーム・レトロゲーム好き。「懐かしの電子ゲーム大博覧会」「任天堂コンプリートガイド」など多数の著書あり。
https://twitter.com/yamazaki_isao
http://happy-today.org/nintendo/

書籍『寺田克也原寸』原寸サイズの掲載も。個展やライブドローイングで披露されたパーソナルな絵を完全収録

NEWS

MANGA

2019.04.05 FRI

いまや国内のみならず海外でも毎年個展を開催し、幅広い活躍を見せるイラストレーター・マンガ家寺田克也。

個展用やライブドローイングで披露してきたパーソナルな絵を完全収録した書籍『寺田克也原寸』が2019年4月17日に刊行される。

本書籍は、寺田克也の絵を原寸サイズでも多数掲載。筆致のにじみやかすれまでも目で追える至高の一冊。

発売を記念して2019年4月29日に寺田克也×祖父江慎によるトーク&サイン会をLOFT/PLUS ONEにて開催される。

寺田克也コメント
主に線画の大判の絵を中心に掲載してます。ライブドローイングというよりは公開制作のスタイルです。制作時間は2時間から4日間くらいの幅があります。消しゴムかけるのがめんどくさいので下描きはなしです。画材もいちいち準備するのがめんどくさいのでマーカーです。ゼブラの水性顔料系マーカー紙用マッキーを使用してます。ほとんどの絵は描きながらなにを描くか探り探り。描き上がるまでじぶんでもなに描いてるのかわかってないです。おたのしみに。

イベント情報
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/plusone/114607